保護者 I さん
「息子は中学1年の夏休みから学校に行けなくなりました。最初の1ヵ月は無理やり行かせようとしたので、毎日が戦いで疲れ果ててしまいました。息子の思いを分かち合いたい、本来の笑顔を取り戻して欲しい、そう願って本を読んだり、カウンセリングに行ったりする中で、まずは家庭を息子が一番安らげる場所にすることが大切だと気付きました。息子の力を信じて待つこと、息子が自分から動き出した時のために、できる限りの情報を集めることが親としてできるすべてのことだと思いました。私の意識や態度が変わるにつれて、息子も少しずつ元気になり、気が付けば1年が過ぎていました。息子が動き出したときのために、フリースクール探しも本腰を入れ始めました。
数あるフリースクールの中でやすづか学園に最も魅力を感じたのは、資料請求の電話対応がとても親切で丁寧であり、ホームページの掲示板で修学生が学園での生活を懐かしみ、安塚の土地に感謝していたからです。そこには人のぬくもりや全てを優しく包み込む大自然の豊かさがありました。ここなら息子もきっと変われるはずだと思いました。
息子は2年生の3学期にやすづか学園に入学しました。生来の人見知りで入学当初は馴染めるか心配でしたが、スタッフの皆さんが息子の気持ちを尊重しながら、押しつけがましくなく接してくださったので、次第に心を開いていったのではないかと思います。
学園では中学校の学習はもちろん、カヌーやスキー、田植えや稲刈り、料理教室、バンド活動など地元の中学に通っていたら体験できない様々な活動をさせていただきました。これらの活動は地域の協力なしにはできないことであり、教室では学べない貴重な体験でした。単なる知識の詰め込みでない、体験から学ぶ本当の学びがありました。自分を支えてくれる人たちへの感謝の気持ちを、息子の作文や家に帰って来た時の何気ない会話から感じることができ、本当に感動しました。なぜなら、感謝の気持ちは強制できるものではないからです。
息子にとって学校を休んでいた1年余り、そして安塚で過ごした1年と3カ月は自分自身を見詰め直し、ありのままの自分を受け入れ前に進むための必要な時間であり、経験だったと思います。人生に無駄なことは一つもない、全てが必要で大切だということを子どもに教わりました。」(神奈川県、中3男子の母)